
イロコデザインは、1961年に設立されて以来大きく飛躍するミラノサローネよりレポートいたします。世界の家具産業の未来がグリーンエコノミーとより密接に絡み合う中、今年のミラノサローネでは、健康的な生活と持続可能性が重要な鍵となりました。
素材や工程における炭素価格の削減という単純な発想から離れ、より広範な視点での取り組みが行われました。環境に配慮したコンセプトの中には歴史や遺産が散りばめられており、ブランドは自社を形成してきた製品のストーリーを見つけるために記録を調べ、彼らが最初に存在することとなった真髄を生き返らせるようになりました。
フィンランドの家具メーカーArtekは、アルヴァ‧アアルトがデザインした「60スツール」を、チェスセット、トイレットペーパーホルダー、レコードプレイヤー等の新しいオブジェに生まれ変わらせた作品を発表しました。日本のブランド、Yamagiwaはフランク‧ロイド‧ライトの照明器具「タリアセン」を復刻し、シゲル‧バンがデザインした筒状のインスタレーションを発表しました(画像参照)。
世界中のインディペンデントデザインを集めた大規模場展示会「Alcove」は、使用されていなかったかつての屠(と)畜場からスタートしました。サンマルティーニ通りにある使われなくなった工業用保管庫の集合体であるドロップシティでは、多くの仮設展示が行われ、このスペースは来年から常設デザイン会場となります。
またハーマン‧ミラーは、ミッドセンチュリーのプリントを再現することで自社のグラフィックデザインの歴史を紹介し、これらは購入も可能となります。
優れた製品や何千もの発表が行われ、伝統的な家具とデザイン、イノベーションと機能の探求、そして現代的な美学と豪華さを意味するxLux、これらをクラシックにおける3つの主要カテゴリーとし、
常に新しいものを求めるのではなく、私たちがいま持っているものをより有効的に活用し、より良く作り、より長持ちするデザインができる未来に全員がうなずきました。